滞納した税金は自己破産してもなくならないが…救世主!?”課税放棄”とは何か…

Pocket

国民の義務「納税」…一生涯背負い続ける十字架とどう向き合うか

私たち国民には”3つの義務”が憲法で定められています。その中の一つに”納税の義務”というものがあります。

※『国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ』(日本国憲法第30条

この国に生まれ、働き、一生涯生きて行く以上、国民は全て等しく”納税”の義務を負う…ということですね。

実はこの「日本国憲法」というのは”全ての法律の基礎”となっているものであり、しかもかなり強力で厄介者です!例えあなたが自己破産」したとしても、この”納税の義務”…つまり税金を払う義務だけは免れる事ができません

正直「自己破産」した人間の立場から考えれば、借金地獄から逃れまた一からやり直したいと思ったからこそ自己破産までしたのに、「税金」だけは免除されないなんて不条理だ!と思うことでしょう。私もその一人でしたので、よ~く解ります(笑)

青天の霹靂…本当の”地獄”は離婚後から始まりました!

2008~2009年頃だったと思うのですが…ある日のこと、前妻が私へ”我が家には借金がある”旨の話をしてきました。
何の借金なのか、あるいは借金の具体的な金額等はあえて聞きませんでしたが、話の内容は、その借金を返すため私に協力して欲しいということでした。

もちろん、私もその借金を肩代わりする余力(貯金)などありませんでした。前妻もそんな事は百も承知していたのでしょうか…私の兄からお金を借りれないだろうか!?…という話を持ち掛けてきました。
彼女(前妻)が、毎月少しづつでも必ず全額返して行くからという約束で、私は兄から100万円の借入をし、黙って前妻へ渡します。
しかし…それがいけなかったのだと、私は後々後悔することになります。

一年以上経っても1円たりとも返済されない事に、私の兄もシビレを切らして弟である私に「どうなっているのか?」という話をしてきます。当然私は前妻が毎月返金しているものだと思って疑っていませんでした。
そこで兄からそういう連絡があった事を前妻に話すと、その場は”わかった”という返答でした。ところが…
結局その後も返済はされることなく、二人の板挟みに悩んだ挙句、とうとう私は苦し紛れに前妻の父母に相談してしまいます。この私の行為が全ての発端となりました。

事前に相談もなく、自分に黙って勝手に親へ借金のこと、兄への返済が滞っていることを話された事に激高した前妻は、それ以降私と会話する事を断ち切ります。夫婦間には大きな溝ができてしまうことに。それを機に「家庭内別居状態」が始まり、最後には2012年11月の「離婚」へと繋がって行きます。
しかし、本当の意味で私に不幸が訪れるのは”離婚後”の事となります。

ある日のこと、いつものように仕事で深夜に帰宅した私…
駅から自宅までは自転車で通勤していた私ですが、家に近づき自転車のブレーキをかけるキーという音を聞いた子供たち3人は、1階のリビングにあるテレビを観るのを止め、慌ててテレビを消し、逃げるように2階へ駆けあがって行くのが判ります。
そして真っ暗になったリビングの電気を点けると、テーブルの上には少しだけ縁(ふち)に緑色のラインが施されてある一枚の紙が置いてありました…片方だけ記入され、名前の横に押印された「離婚届」です。

離婚届が提出され、確実に受理されたのをしっかりと確認した彼女(前妻)は、その後間髪を入れることなく子供たちを全員連れて家を出ます。
一人深夜に帰宅し、家の中がいつも以上に静かだなぁ~と思って恐る恐る二階へ上がると、全室(3部屋)全てが”もぬけの殻”になっていた時の、あの衝撃…(笑)
しかも、自分たちが引越し先で使わないであろうと思われる私物(ゴミ)は、しっかりと残していくという周到さ!(笑)

前妻は方々でクレジットカードを作り、私の知らないところで借金に借金を重ねていました。
挙句の果てには、子供の学童費用や家の固定資産税、自動車税までも…
それらの多額の借金を、私は一人で背負う事になります。

それもそのはず…ほとんど働いていなかった彼女(前妻)には”クレカ”を作れる満足な収入などあるはずもなく、また今から思えばそれも最初から計算されていたのだろうと思います。
”私名義”で作られたクレカの借金は、当然私が返済しなければならない訳です。

それにしても、「女」という生き物はかくも強かなものなのか…と私は身をもって思い知らされることになります。
方々でカードを作ったり、借金に借金を重ねてきた前妻。
子供の学童費用や家の固定資産税、車の自動車税などなど、前妻が残した多額の債務を一人で背負うハメに…私は一瞬にして「多重債務者」となりました。

「自己破産」しても支払いを免れない税金って何なの!?放って置いたらヤバいことに…

どんな理由があったにせよ、今の日本の法律では離婚して逃げていった前妻・子供であっても、彼女等への”養育費”だけは払って行かなければならないようです。

「納税の義務」でも触れましたけど、”日本の法律”って言うのは本当に知れば知るほど”理不尽だなぁ~”と思う事が多々あります。借金を背負わされ自己破産するまでに追い込まされた、にっくき”元家族”に対し、何故そこまであいつらに手厚くしてやらなければならないのか…
”経済的弱者”だから…納得できませんねぇ~(笑)

自己破産」した事で、クレカ各社への借金や住宅ローンは全て消えました。
もちろん、家は手放さなければなりませんし、車も処分しなければなりません。生命保険も全て解約し、財産と呼べるものは全て処分します。まさに”裸一貫”ゼロからのスタートです。

「家」は裁判所によって”競売”にかけられ、後日落札した不動産屋(私の場合は不動産屋が落札しました)から「いついつまでに退去してください」という連絡が来ました。
良心的な不動産屋さんだと、引越し費用としていくらかもらえるケースもあるようですが、私の場合は該当せず”自腹”で引越ししなければなりませんでした。

車は自己破産手続き前に処分していたので、処分の際手に入れた現金はとられずに済みました。生命保険もず~っと前に解約していたので、こちらも解約返戻金など没収されずに済みました。

これで、財産と呼べる”動産”や”不動産”全てを処分することができました。あとは銀行などにある預貯金ですが、現金はほとんど残っていませんでしたので問題ありませんでした。
最後に残ったのが所謂(いわゆる)”滞納された税金”の問題です。

それでも「自動車税」や「固定資産税」などは”自己破産手続き前”にすべて済ませていました。では何の税金が問題になったのか…
それが「国民年金」、「国民健康保険料」、そして「都民税・市民税」です。

会社勤めだった私は、年金は給料からの天引き、健康保険も国民健康保険ではなく厚生年金保険でこれまた給料天引き、都民税・市民税も給料天引きでした。なので全然問題なかったのです。それが離婚後から二年後に、それまで17年間勤めてきた会社を辞め(脱サラ)た事で、それまで”給料天引き”だったこれらの税金をすべて自分で支払っていく事に…

しかも、当時の会社の給料が比較的高額支給だったためか、納税額も半端ないものでした。
健康保険は11,280円程度だったと思いますが、そのほか介護保険1,762円厚生年金が25,714円年金基金8,695円雇用保険3,090円社会保険の合計額は50,541円でした。その他に所得税が10,550円住民税は25,300円引かれていましたから、そのトータル額がほぼ9万円近かったという…非常に高額でしたね。
所帯を持っていた頃は”おこずかい制”でしたから、自分がどの程度の給料をもらっていて、
どの程度の税金を引かれているのかなんて気にもせず、給料明細など一度も見ることなく過ごしてきましたけど、独りになってあらためて見てみると、その税額の大きさに驚いてしまいました。当時、会社の同僚の一人が言ってましたけど”俺たちは税金を納めるために働いているようなものだな…”という言葉を思い出しました。ホント、そうだなぁ~と思う訳です(笑)

”独り身”になった事で減額になった保険料もあるかもしれませんが、それでもやはり全体としては高額です。
これらの税金額が納めることができずにどんどんと積み重なって行き、未納税は数ヶ月間でもあっという間にん十万円までに膨れ上がりました。これらの未納税は自己破産しても免除されることはありません。

当初、役所に出向いて職員と相談し、分納するという方向で話がまとまりましたが、役所と
しては既に請求が終わっているものだけに、すぐにでも納めて欲しいと迫ってきました。
”分納”といっても、それじゃ~毎月2万円ずつ24回払いで…なんていう事にはなりません!
二回に分けて…とか。これも一応は”分納”ですが、まったくもって現実的ではありません。

その場はそれで話をまとめてきましたが、結局こんなプランで払える訳などなく、期限までには納入できませんでした。その後も役所からは赤や緑や黄色といった様々な色の封筒で”督促状”が届きます。
それでも私は「ほったらかし」にしていました。ない袖は振れない訳ですから。

役所の方も最終的には”最終手段を取るぞ!”と警告してくるわけです。つまり”財産差し押えの警告”をしてくるのですね。自己破産申請をしている私にとって、取れる資産なんて何ひとつない訳ですから、こうなると怖いものなどない状態です。取れるものなら取ってみろ!ってなもんです(笑)

役所としても、当然あの手この手で色々と調べるんでしょうね。
そして、家も車も預貯金も”財産”と呼べるものが何一つないという事が理解できたのだろうと思います。
そうなるとどうするか…最終手段は今現在勤めている会社に連絡して、給料の振込先情報を聞き出し「給料の差し押さえ」をする訳です。私もやられました!(笑)一月分の給料をまるまる
差し押さえされました。これはさすがにこたえましたねぇ~

これは行政代執行法というものに基づいて行われるものなので、異議を唱える事はできません。と言うか、異議を唱えたところで却下されます。
ただ、行政側も二ヶ月とか三ヶ月とか連続して給料を差し押さえるといった行為はできません。当たり前ですけど…そんな事されたら我々市民は安心して生活できなくなりますもんね。
しかもそれは憲法に違反することにもなります。

※『すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。』(日本国憲法第25条①

”最低限度の生活を営む権利”を阻害する行為は、役人であればこそ許されるものではありません。ただし、安心はできませんよ。
気を付けなければならないのは、”裁判所のお墨付き”をもらえば、行政側はその目的(未納税額をすべて徴収する)が達成されるまで何度でも徴収できる権利を有するという事です。
こうなったら観念して再度役所へ赴き話し合いをするしか方法はありませんね。

悪用厳禁!!あなたは「課税放棄(かぜいほうき)」という言葉を知っていますか?

突然ですが、あなたは「課税放棄(かぜいほうき)」という言葉を知っていますか?
(※漢字がこれで合っているかどうかはわかりません)
役所や税務署などへ勤められている方ならご存知なのかもしれませんね。


これ以上、また先々で”給料の差し押さえ”をされたらたまったものじゃないと思った私は、
満を持して役所へ殴り込みをかけます!(笑)
しかし…待っていたのは意外な結末でした。。。

「滞納している税金の支払いの事で話に来たんですが…」と切り出す私に、役所の人間から
返ってきた返答は…
「あ~〇〇さんねぇ~、滞納している税金はありません!」

え!そんなはずないっしょ!まだ数十万円単位の未納税があるはず…と問い合わせると、
「その分はすべて”カゼイホウキ”の処理がなされていますから、滞納税はありませんよ」

つまり…
”滞納していた税金はまだ残ってはいたが、あなたの財産を調べたところ何もないようだし、
給料の差し押さえをしても全額回収するにはまだ数回差し押さえしなければならないから、
今回は特例的に残りの滞納税を徴収するのは諦めます(課税放棄します)”
ということなのだろうか…

この話を「自己破産」手続きの担当弁護士に話たらキョトンとしていました(笑)
さすがの弁護士でも予想だにできなかった結末だったようです。

こうして、私の「自己破産」への長い道程は終わりました。

2017年9月、無事に「自己破産」の申請が認められ結審されました。

滞納していた税金も、本来なら支払う義務のあるものでしたが、私の場合には幸運にも
役所側の”課税放棄”という想定外の結末で「免責」されることができました。

今回の「自己破産」に伴うデメリットとしては…

①5年~7年は新たに借金ができない・ローンが組めない(クレジットカードが作れない)
②しばらく(むこう7年?だったか)は「自己破産」できない

という事を担当弁護士から言われました。まぁ~借金も自己破産も二度と御免ですけど…

「離婚」とか「自己破産」とか、できることならしない方が良いに決まってますけど、
誰もができる事ではないことを経験するっていうのも、人生の糧としては悪いものでは
ないなぁ~と、前向きに捉え生きて行こうと思います。

【P.S】

もし今現在あなたが「自己破産」や「債務整理」等を進めている段階で、どうしても
税金だけが免れない…と悩んでいるようでしたら、自宅に山のように届いた督促状を
無視するのではなく、一度役所へ赴いて相談してみては如何でしょうか?

私もさんざん督促状を無視し続けてきましたけど、最後には役所へ行って話をしました。
そして結末は結果オーライでした。やはり一度は行って話をしないと何ら解決しません。

そして、もしできることならお役人に「課税放棄」してもらえないかを、こちら側から
打診してみるのも悪くないかもしれません。まぁ~すんなり通るとは思えませんが…(笑)
色々な選択肢の中には、そういう方法(課税放棄)もある…ということです。
知っておいて損はない言葉だと思いますよ。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする